想像妊娠したのは孝懿王后だった!
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イ・サン第55話。
洪国栄(ホン・グギョン:홍국영)の妹・元嬪洪氏(ウォンビン ホンシ:원빈 홍씨)が、内命婦(ネミョンブ)の一員となり、朝廷だけでなく後宮にも波乱が巻き起こっています。
今話では元嬪(ウォンビン)が想像妊娠にいたりましたが、史実で想像妊娠をした人物は元嬪ではなく孝懿王后(ヒョウィワンフ:효의왕후)でした。
以前、トンイ考で粛宗の子供たちと朝鮮の少子化問題を紹介しましたが、朝鮮後期の王室では嫡出子どころか男子さえも生まれにくい状況にありました。
ずっと正妻から生まれた子が王位についていた朝鮮ですが、第13代明宗 (ミョンジョン:명종)の代でついにその法則が崩れ、第14代宣祖(ソンジョン:선조)は傍系から王に迎えることになりました。
その後は見ての通り王子が生まれにくくなっています。第19代粛宗(スクチョン:숙종)は6人の王子を設けましたが、成人したのは3人で、そのうち一人も若くして亡くなってしまいました。結局生き残ったことにより、イ・サンの祖父で第21代英祖(ヨンジョ:영조)は王位につくことになりました。
このような状況下からも分かる通り、王はもちろんのことですが、一番プレッシャーを感じたのは正室の中殿(チュンジョン:중전)でした。
孝懿王后(ヒョウィワンフ)の夫である第22代正祖(チョンジョ:정조) 李祘(イ・サン:이산)は事実からもその誠実さがわかるように、王になるまでは側室を設けませんでした。ドラマの視聴者は彼の愛が孝懿王后(ヒョウィワンフ)に無いと思っている人もいるようですが、愛が無ければとっとと側室を設けたことでしょう。
それとは逆に、イ・サンが孝懿王后(ヒョウィワンフ)を大切にしたあまりに、男子を設けるという絶対的使命を十数年の間、彼女は一身に背負うことになりました。そして、心のなかでそのことを反芻してしまったがために、ストレスにより想像妊娠するに至ったのです。
ですので、史実ではドラマの設定とは逆なのです。
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