英祖の脳梗塞と王の死因
2014/02/13
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イ・サン第40話で脳梗塞で倒れた英祖(ヨンジョ:영조)。
このような描写があると、これは史実?脳梗塞があの時代にわかったの?との質問を受けます。
そんな疑問にお答えしましょう!
まず、英祖が脳梗塞になった描写はフィクションです。朝鮮王朝実録を見てもそのような記述はありません。
次に、脳梗塞があの時代にわかったのか?
これが、わかったのです!
もちろん、脳梗塞というのは西洋医学的な現代の傷病名です。では、ドラマ イ・サンのセリフではなんと言っているのでしょうか?
実は、偏枯症(ピョンゴジュン:편고증)と言っています。これは韓医学で脳梗塞も含む病気を表す中風(チュンプン:중풍)の4大症状の一つです。「気血が滞ることによって言語や精神的障害は無しに筋肉が萎縮して関節に痛みがくる半身麻痺症状」というのが定義です。
この言葉をもとに現代日本人にわかりやすい脳梗塞という訳を当てています。賢明な訳だと思います。
この中風(チュンプン:중풍)でなくなった王は数名います。
1980年代初頭にソウル大保健大学院の許程(ホ・ジョン)教授のレポートによると、太祖(テジョ:태조)李成桂(イ・ソンゲ:이성계)・第4代世宗(セジョン:세종)・第14代 宣祖(ソンジョン:선조)の3名が中風(チュンプン:중풍)で亡くなったされています。
このレポートによると英祖は眩候(ヒョンフン:현후)となっています。要するに意識が朦朧としてなくなったとのことですので、通説通り老衰と認識してよいでしょう。
ちなみにイ・サン(이산)の死因はデキモノとなっていますが、直接の死因と言うよりは、持病と取るべきでしょう。その他、デキモノでなくなった王は、第5代文宗(ムンジョン:문종)・第9代成宗(ソンジョン:성종)・第17代孝宗(ヒョジョン:효종)です。結構メジャーな死因です。
※コチラを参照してください→朝鮮正祖・李祘 (チョソンチョンジョ イ・サン) ウィキペディアより詳しいイ・サン5 死・まとめ
太祖から第25代哲宗(チョルジョン:철종)までの平均寿命が47歳。人間50年とはよく言ったものです。そのうち70歳以上の寿命だったのは太祖と英祖のみです。もちろん、83歳まで生きた英祖は朝鮮王の最高齢記録です。
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