イ・サン第72話 英祖が残した淑嬪崔氏の指輪とトンイ
2013/09/11
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イ・サン第72話。イ・ビョンフン監督作品にはたまらないエピソードが描かれました。
英祖(ヨンジョ:영조)がソンヨンに残した母・淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)の玉の指輪(オクカラクジ:옥가락지)のお話です。
これにより低い身分から生まれた元子(ウォンジャ:원자)が英祖の意志という正当性の担保を得ることで、臣下の反対を抑え世子(セジャ:세자)に冊封されることとなります。これが文孝世子(ムニョンセジャ:문효세자)です。
トンイとイ・サンはドラマとしてはイ・サンのほうが古いものですが、トンイのほうが100年ほど古い時代です。イ・サンでの玉指輪のエピソードはその後に放送されたトンイにも生かされ、どのようにして第19代王粛宗(スクチョン:숙종)からもらったのかが描かれています。
まだトンイを見てない方は来年からのNHKでの再放送を見るとよいでしょう。念のため記載しておきますが、このエピソードはもちろんフィクションです。
ちなみに、トンイ考の指輪についての記事はこちらです。 → 指輪の秘密
さて、ソンヨンこと成氏ですが、王子を産んだ翌年の1783年2月19日に、その功により後宮の最高位である嬪となりました。そして宜嬪成氏(ウィビンソンシ:의빈 성씨)と呼ばれることとなります。
翌年の1784年7月2日に元子だった李㬀(イ・スン:이순)は3才で世子(セジャ:세자)となっています。3歳といっても数えですので、1782年9月7日生まれですから、現代の感覚では2歳にもなっていない赤子です。そして、ドラマ内でも第20代景宗(キョンジョン:경종)の世子冊封が早かったことを引き合いに出していましたが、歴代世子の中でもものすごく早い冊封でした。
文孝世子(ムニョンセジャ)の身分というのは景宗や英祖にとても類似しています。宮女上がりの女性から生まれて世子や世弟になった数少ない王子のうちの一人です。当時は王室が少子化問題にぶち当たっていた最中ですので、さほど反対もなく世子についています。
これについては、粛宗(スクチョン:숙종)がのちの景宗を元子に冊封する時に、反対した老論(ノロン:노론)をことごとく流刑や死刑にしたという前例もあり、スムースに事が運んだのではないかと思われます。前例主義の朝鮮ですから、反対すれば死が待っていることを臣下も察知していたのでしょう。
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