元嬪洪氏は悪女だったのか?
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イ・サン第53話。
洪国栄(ホン・グギョン:홍국영)の妹・元嬪洪氏(ウォンビン ホンシ:원빈 홍씨)が、その正体を顕にし始めました。
けれども、この姿は史実とは異なります。といっても、彼女に関する記録はほとんどないため、類推するに至るだけですが、それでも悪女の姿は見えてこないのです。
イ・サンの後宮ということで多くはないものの実録および他の歴史書にも登場します。その場合、たいていがホン・グギョンへの批判が書かれており、元嬪洪氏については特筆すべきことは描かれていないのです。
もし、彼女が悪女であったなら「あの兄にしてこの妹あり」というような書き方がされるはずですが、そんな記録は一切ありません。
次に重要な証拠が、御製仁淑元嬪行狀(オジェ インスクウォンビン ヘンジョン:어제인숙원빈행장)です。行状とは亡くなった王室の人の一生をまとめたものですが、彼女の行状には御製とついています。これはどういうことかというと、王自らが書き記したということです。
元嬪洪氏(ウォンビン ホンシ)はイ・サンよりも早くに亡くなったため、イ・サン自らが書き記したのです。それだけでも彼女が邪険にされておらず、その死を悲しんだイ・サンの姿が想像できます。そして、その諡号に「淑」の字が使われているのがわかると思います。
「淑」の字はそのひととなりを表す文字で、女性らしい「しとやかさ」を表す文字です。明朗な人物に使うことはなく、三歩下がって佇むような人に付けられます。
上記のようなことから、元嬪洪氏(ウォンビン ホンシ)はドラマ イ・サンでの描写のように烈火の如き怒りを持つタイプではなく、貞淑なタイプだったことがわかります。
洪国栄(ホン・グギョン)の一代記を描いたドラマ王道(ワンド:왕도) に出てくる 元嬪洪氏はまさにしとやかそのものの姿です。おそらくより史実に近い姿だったのではないかと思います。
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