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韓国ドラマ イ・サン ウィキペディアより詳しいイ・サン 第22代朝鮮王正祖(チョンジョ) 歴代朝鮮王の中で最も魅力ある正祖を、韓国時代劇イ・サンを通じて考証していきます

ソンヨンが尚宮に?チョビも尚宮に?

   

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イ・サン第63話。ソンヨンが承恩尚宮(スンウンサングン:승은상궁)になりましたね~。

ソンヨンのモデルとなった宜嬪成氏 (ウィビンソンシ:의빈 성씨)同様、ソンヨンも成氏(ソンシ)なので、ドラマ内では成尚宮(ソンサングン)となています。

前回説明したことと重複してしまいますが、成氏尚宮(サングン:상궁)ではなく、同じく正五品(チョンオプム:정5품)ながらも、その下位の尚儀(サンウィ:상의)の身分でした。

成氏が実録に初めて登場するのはドラマの設定年代より2年以上後の1782年8月26日です。記述は以下のとおりです。

「是時 尙儀成氏彌月將屆也」

この漢文の内容は史実なので詳しく説明しても良いのですが、今回は先のお楽しみということでスルーしますね(笑)

もし彼女が尚宮になっていれば必ずそう記述されます。先週の段階では理由がよくわからなかったのですが、昨日ある仮説が浮かび上がって来ました。ひょっとすると成氏は入宮時期が遅かったのではないかということです。

宮女は数百人の女の世界ですから、目に見えづらい序列が存在します。その一つが入宮時期による差です。ドラマに良く出てくるような王のそばに仕えたり中殿(チュンジョン)のそばに仕えたりする尚宮は、宮女の中でもエリート中のエリートで、とても幼い時期から入宮してエリート教育を受けた宮女です。

方や針房(チンバン)などの尚宮は格が下がります。同じ序列の尚宮でも、所属場所によって暗黙の上下関係が存在するのです。この所属先は入宮年齢によってあらかた左右されます。1780年の時点で28歳だった成氏が、承恩を受けたにもかかわらずその2年後にも尚儀(サンウィ:상의)だったといことは、入宮年齢が関係したとしか思えないのです。

 

さて、中殿のやさしさから図画署(トファソ:도화서)に所属する茶母(タモ)を尚宮に引き立てるという話が出ましたが、しきたりでがんじがらめの内命婦(ネミョンブ)において、いくら中殿の命だとしてもそんな勝手が許されるわけがありません。

これがまかり通れば、入宮して15年して内人(ナイン)となり、さらに15年を経て計30年という月日を費やして初めてなれる尚宮の職の重みを無視することになります。史実でも道理をわきまえたいい人キャラだった孝懿王后(ヒョウィワンフ キムシ:효의왕후 김씨)がそんな事をするはずもありませんね!

また、部長にでも立候補するかのようにチョビは尚宮になろうとしますが、当時の常識から言っても、それはありえないことです。女ざかりなのにわざわざ結婚できない道を選ぶはずがないのです。尚宮になる前提からしてフィクションなのでツッコミを入れてもしょうがないところですが、尚宮になってテスに心ときめかせていれば反逆罪になってしまいます。

このあたりの演出は、現代の感覚を過度に入れすぎてしまったとしか言いようがありません。

ま、ストーリーとしては面白いので、楽しんで見ていますが(笑)

今週時間があれば、イ・サンが着手している商慣習の是正についても書きたいと思います。現在、イ・ミンホ主演の信義の全訳をやっているので、時間ができるかどうかわかりませんが(汗)

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